借金を返せず裁判を起こされても弁護士に依頼すれば差し押さえを回避できる?

借金を返済できない人にとって貸金業者による督促の電話はかなり怖いでしょう。しかし、それ以上に怖いものがあります。財産の差し押さえです。差し押さえというと、家の中に人が入ってきて金目のものに差し押さえの札を貼りつけるというイメージが強いかもしれませんが、そのほかに給料や銀行口座も差し押さえの対象になります。

貸金業者による差し押さえは裁判を起こさないとできない

借金を返済できないとすぐに怖い風貌の人たちが家にやってきて、金目のものを取っていくというのが差し押さえだと思っている人がいるかもしれませんが、これは事実と反します。実は差し押さえというのはそれほど簡単にできるものではないのです。

たとえば貸金業者が債権者だとすると、まず裁判所に対して「この債務者がお金を返してくれない」という訴えを起こさなければなりません。そのあと、裁判ということになりますが、そこで「原告が被告にお金を貸したのに、きちんと返してもらっていないのは間違いない」と認められ、原告勝訴の判決を出してもらうことで、後々、差し押さえをする権利を得られるのです。

もし、単に貸したお金を返してくれないという理由で債権者が勝手に債務者の家に上がり込み、金品を持っていったらそれは単なる盗難で、債権者の方が悪いということになります。

長期滞納者でも貸金業者がなかなか訴えない理由

銀行や消費者金融はまったく返済のそぶりを見せない債務者であっても、簡単に裁判を起こすということはありません。債務者に送付する督促状には「このまま返済しないつもりなら訴えるかもしれない」といった内容の言葉を記しますが、いろいろな理由で実際には裁判を起こさず、あくまでも債務者に対して自主的に返済してもらうことを迫っていきます。

なぜ貸金業者は悪質な債務者を訴えず、差し押さえをしようとしないのかというのは業者によって理由が異なりますが、たとえば費用の問題が挙げられます。裁判を起こして原告勝訴の判決が得られたとしても、債務者に返済能力がまったくなければたとえ差し押さえに踏み切っても回収は不可能です。

そうなれば貸したお金に加え、新たに裁判費用や差し押さえの費用も無駄にしてしまうことになります。そのため、裁判を起こせば確実に回収できるケースを除き、訴えることは少ないというわけです。

時効阻止のために裁判を起こす

返済能力のない債務者であっても、例外的に訴えることがあります。それは時効が迫っている場合です。基本的に未返済の期間が五年以上になると債務者が時効の援用を債権者に申し出ることで事実上、借金をチャラにできます。

しかし、債権者はいくつか時効を阻止できる対抗手段を持ちます。その一つが裁判を起こすことです。裁判を起こして勝訴すれば、そこから新たに10年経たないと時効を成立させることはできなくなるので、現時点では債務者から回収できなくても将来的に回収できる可能性はあると考えられるなら、あえて訴えて時効成立を先延ばしにしてしまうわけです。

裁判で勝訴すれば、そのあとずっと債務者に対して電話やはがきを使った督促が可能になるので、プレッシャーに耐えられなくなった債務者が親などから借りて返済してくるかもしれないという狙いもあるでしょう。

返済能力がある債務者に対しては裁判後に差し押さえをしてくる可能性が高い

債務者は決してお金がないというわけではなく、返済能力があるにもかかわらず返そうとしていないと貸金業者が考えた場合は、裁判のあとに差し押さえをしてくる可能性は非常に高くなります。では、差し押さえをされてしまったら困ると考えて、弁護士に頼んで阻止してもらうことは可能でしょうか。

まず、差し押さえがいつ行われるのか、債務者に通達されることはありません。予告してしまえば財産を隠されてしまうからです。弁護士であっても差し押さえが行われる日はわからないので、差し押さえが行われる直前になんらかの方法でストップさせるということはできません。

つまり、債権者が「差し押さえを行う」と決断してしまったらもうどうにもならないのです。ではどうすればいいのかというと、差し押さえをすると決断される前に弁護士を通じて返済交渉を行うしかありません。

弁護士を通じて「差し押さえをしないでほしい」と持ちかけられる?

裁判で原告勝訴の判決が出てから、弁護士を通じて債務者が交渉を持ちかけることが可能なのかというと、もちろん、問題はありません。債権者としても債務者が自主的に返済してくれるのが一番楽ですし、お金がかからないので、あるかないかわからない債務者の財産を目当てに差し押さえをするよりも、債務者に現金を返済してもらった方がいいはずです。

ただ、強硬な貸金業者の場合、和解交渉を持ちかけられても一括返済でなければ拒み、問答無用で差し押さえをしてくることがあるので、弁護士に頼めば絶対に差し押さえをされない、というわけではありません。そもそも裁判を起こす貸金業者というのは債務整理の和解交渉に一切応じず、債務者に徹底的にプレッシャーをかけて利息を含めたすべての債権を回収することを目指しているところが多く、分割返済に応じてもらえたらラッキーといえるでしょう。

差し押さえを免れた場合のメリット

弁護士に依頼して債権者との交渉がまとまり、差し押さえを回避することができたらどのようなメリットがあるのでしょうか。当然、車や不動産などの財産を持っていた場合、それを差し押さえされずに済むのでそれは大きなメリットですが、ほとんど財産がないケースでもメリットはあります。

それは社会的な評価を落とさずに済むという点です。借金を返済せずに訴えられたら裁判所の記録に残ってしまいますが、そのことが友人や会社の同僚に知られる心配はほとんどありません。ネットなどで簡単に記録を閲覧できるようにはなっていないからです。

しかし、差し押さえをされてしまうと自宅に執行官がきたりするので目にとまりやすく、ばれてしまう可能性は十分あります。借金を返さずに差し押さえまでされたことが知られれば、周囲から冷ややかな目を向けられることになるでしょう。

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裁判後はいつでも差し押さえられる可能性がある

弁護士と貸金業者との交渉がまとまったとしても安心はできません。裁判で原告勝訴の判決が出ていれば、いつでも差し押さえが可能という状況は変わらないからです。貸金業者は、約束通りに返済してもらえるなら差し押さえをすることはないが、約束が守られないならいつでもするというスタンスなので、和解交渉の末に結ばれた契約は必ず守るようにしましょう。

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